
自社の成長のために人材を採用しようとしても、「応募が来ない」「採用できない」「来社しない」といった課題を抱える企業は少なくありません。
ただし、採用ができないのには必ず理由があります。人手不足や売り手市場といった外部要因だけで片づけず、まずは「なぜ応募が来ないのか」「なぜ辞退されるのか」「なぜ採用ができないのか」を分解し、原因を特定して適切な打ち手を講じることが重要です
本記事では、採用がうまくいかない企業に共通する特徴10選と、その本当の理由、最短で改善する方法(KPI運用・ファネル改善)を体系的に解説します。
目次
- 1 【結論】採用がうまくできない会社の共通点は「母集団不足」ではなく「採用設計不足」
- 2 なぜあなたの会社は採用できないのか?考えられる2つの原因
- 3 【チェックリスト】採用がうまくいできない会社の特徴10選
- 3.1 1. 求人媒体から決めてしまう為、採用できない
- 3.2 2. 採用人数だけ先に決めている為、採用できない
- 3.3 3. 求める人物像が「いい人」「コミュ力」など抽象的な為、採用できない
- 3.4 4. 面接官によって合否判断が割れる為、採用できない
- 3.5 5. 条件改善だけに頼っている為、採用できない
- 3.6 6. 現場任せで採用が回っている為、採用できない
- 3.7 7. 求人原稿(コンテンツ)が作りっぱなしな状態な為、採用できない
- 3.8 8. 採用手法が固定化している為、採用できない
- 3.9 9. 早期離職を「本人の問題」で片づけてしまう為、採用できない
- 3.10 10. 採用KPIがなく、感覚で進めている為、採用できない
- 3.11 11. 仕事内容が具体的に書かれていない為、採用できない
- 3.12 12. 入社後の育成・教育体制を示していない為、採用できない
- 3.13 13. 採用スピードが遅い為、採用できない
- 3.14 14. 応募後の連絡が事務的すぎる為、採用できない
- 3.15 15. 面接が会社説明会になっている又は見極めの質問だけの為、採用できない
- 3.16 16. 自社の情報がweb上にほとんどない為、採用できない
- 3.17 17. 働く人の情報が見えない為、採用できない
- 3.18 18. 内定後のフォローがない為、採用できない
- 3.19 19. 入社初日の受け入れ準備ができていない為、採用できない
- 3.20 20. 採用を「コスト」と捉えている為、採用できない
- 4 必見!採用がうまくいく会社が「最初に整備していること」
- 5 採用が止まる原因と最短の打ち手│KPI運用、ファネルで毎週改善
- 6 【実例】実際にあった採用のつまずきと改善
- 7 【この状態なら相談推奨】外部支援(コンサル/採用代行)を検討すべき判断基準
- 8 よくある質問
- 9 この記事の監修|株式会社bサーチについて
- 10 まとめ
【結論】採用がうまくできない会社の共通点は「母集団不足」ではなく「採用設計不足」
採用がうまくいかない根本原因は、求人媒体の不足や人手不足ではなく、採用を「戦略(設計)」ではなく「作業(運用)」として進めてしまうことにあります。
具体的には、①役割定義が曖昧、②ターゲット定義が曖昧、③強み・メリットの訴求が弱い、④選考設計が整備されていない、⑤KPIがなく改善できない――この5つが重なると、応募が来ない・採用できない・定着しない、という悪循環になります。
採用は募集ではなく、マーケティング・ブランディングを含む「採用の仕組みづくり」です。株式会社として採用を“再現性ある活動”にするために、設計→実践→改善を回す必要があります。
採用戦略とは
採用戦略とは、経営目標を達成するために「どの世代・どのキャリアの人材を」「どのチャネル(媒体・紹介・スカウト等)で」「どのタイミングで確保するか」を設計する考え方です。採用代行(RPO)を使う場合も、戦略がないと運用が場当たりになり成果が安定しません。
ミスマッチとは(防止の考え方)
ミスマッチとは、スキル不足だけでなく「役割の期待」と「実際の業務」「カルチャー(ワークスタイル・価値観)」がズレる状態です。ミスマッチ防止には、役割定義・評価基準の整備・入社前後のコミュニケーション設計が不可欠です。転職希望者の見極め精度を上げる打ち手としては、ワークサンプルテストの考え方も有効です。
採用KPIとは
採用KPIとは、応募→書類→面接→内定→承諾→入社→定着までの各ステップの数値(応募数、通過率、内定承諾率など)を指します。KPIがないと、どこで詰まっているか特定できず、改善が感覚になります。KPI設計は、採用ファネルで整理すると一気に回しやすくなります。
なぜあなたの会社は採用できないのか?考えられる2つの原因
人材を採用できない状況は、大きく「外部要因」と「内部要因」に分けられます。外部要因はコントロールが難しい市場変化、内部要因は自社の採用活動プロセスの課題です。多くの企業は外部要因に目を向けがちですが、採用成功の鍵は内部要因の改善にあります。
【外部要因】自社ではコントロールができない採用市場の変化
少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少により、多くの業界で人手不足が続き、求職者が企業を選ぶ「売り手市場」が進んでいます。特に中小企業は、知名度や条件面で大手企業との競争が激化し、従来のやり方では採用難易度が上がっているのが実情です。
【内部要因】見直すべきは社内の採用活動プロセス
採用が進まない企業の多くは、社内の採用設計に課題があります。求める人物像が曖昧、選考基準が面接官でバラつく、求人原稿が刺さらない、選考スピードが遅く辞退される――といった「候補者視点の欠如」が採用失敗の主因になります。
【チェックリスト】採用がうまくいできない会社の特徴10選
ここでは、採用がうまくいかない企業によく見られる10個の特徴をチェックリスト形式で紹介します。当てはまる項目が多いほど、採用は「媒体の問題」ではなく「設計と運用の問題」で止まっている可能性が高いです。
1. 求人媒体から決めてしまう為、採用できない
ターゲットを定義せずに「とりあえず有名な媒体へ掲載」から始めると失敗しやすくなります。例えばエンジニア採用なのに総合型媒体だけに掲載しても、出会える確率は上がりません。先に「誰に、何を伝えるか」を設計し、ターゲットがいる場所へ出すことが不可欠です(ターゲット設計の具体例はこちら)。
2. 採用人数だけ先に決めている為、採用できない
「営業を3名増やす」など人数だけを先に決めると、役割定義が曖昧になりミスマッチが増えます。人数は結果であり出発点ではありません。「何を任せ、どんな成果を出すか」を先に定義する必要があります。
3. 求める人物像が「いい人」「コミュ力」など抽象的な為、採用できない
抽象的な基準は面接官の主観を強め、評価がブレます。スキルだけでなく、価値観、行動特性、ワークスタイル、Z世代など世代背景を含めた人物像を具体化することが重要です(ペルソナ整理は採用ペルソナも参考になります)。
4. 面接官によって合否判断が割れる為、採用できない
合否が割れるのは基準共有が不足している証拠です。評価シート導入、面接官トレーニング、質問設計を整備し、誰が見ても同じ軸で評価できる状態を作る必要があります。
5. 条件改善だけに頼っている為、採用できない
給与・休日など条件改善だけでは、体力勝負になりがちです。重要なのは「強み・メリット」を相手目線に翻訳し、ブランディングとして訴求することです。条件以外の魅力(裁量、成長、社会的意義、チーム文化など)を言語化しましょう。
6. 現場任せで採用が回っている為、採用できない
現場丸投げは、短期の穴埋めに偏りやすく、中長期の採用戦略が崩れます。経営層・人事・現場で役割分担を作り、法人として採用に責任を持つ体制整備が必要です。
7. 求人原稿(コンテンツ)が作りっぱなしな状態な為、採用できない
求人原稿は「出したら終わり」ではなく、改善するマーケティング資産です。競合との差別化、タイトル、訴求軸、仕事内容の見せ方をデータで更新し、PDCAを回しましょう。
8. 採用手法が固定化している為、採用できない
同じ媒体・紹介だけでは新しい層に届きません。媒体、スカウト、紹介、SNS、リファラルなどを「ターゲット起点」で組み合わせる設計が必要です。スタートアップ・ベンチャー企業ほど、チャネルの分散と検証が強力です。また採用ブランディングなども必要です。
9. 早期離職を「本人の問題」で片づけてしまう為、採用できない
早期離職は、選考のミスマッチやオンボーディング不足が原因のことも多いです。離職理由を分析し、採用プロセスと受け入れ体制を改善する視点が必要です(ミスマッチ防止)。
10. 採用KPIがなく、感覚で進めている為、採用できない
KPIがないとボトルネックが見えず改善できません。中途・新卒採用ともに、応募→書類→面接→内定→承諾→入社→定着の各ステップを数値管理し、毎週改善する体制が必要です(KPI設計は採用ファネルで可視化できます)。
11. 仕事内容が具体的に書かれていない為、採用できない
「営業」「事務」など職種名だけでは、求職者は自分が働く姿を想像できません。
1日の流れ、扱う商材、顧客、使用ツール、教育期間、最初に任せる仕事まで書くことで応募率は大きく変わります。仕事内容が曖昧な求人は、不安を生み応募が止まります。
12. 入社後の育成・教育体制を示していない為、採用できない
未経験歓迎と書いていても、研修やフォロー体制が説明されていなければ信頼されません。
求職者が知りたいのは「入社後に困らないか」です。教育担当、OJT期間、マニュアル、評価制度などを明記することが重要です。
13. 採用スピードが遅い為、採用できない
書類選考に1週間、面接調整にさらに1週間かかる企業は、候補者を逃します。
現在の就活市場では複数応募が当たり前です。返信の遅さは「志望度の低さ」と受け取られ、他社へ流れてしまいます。できれば30分以内、遅くても1時間以内。
14. 応募後の連絡が事務的すぎる為、採用できない
テンプレートのみの連絡は企業の温度感が伝わりません。
面接案内時に「なぜ会いたいと思ったか」を一言添えるだけで、面接参加率は改善します。採用は事務ではなくコミュニケーションです。
15. 面接が会社説明会になっている又は見極めの質問だけの為、採用できない
面接官が一方的に会社説明をするだけでは、候補者理解が進みません。
面接は「見極め」と同時に「志望度を上げる場」です。質問設計を行い、相互理解の対話にする必要があります。
16. 自社の情報がweb上にほとんどない為、採用できない
求職者は応募前に必ず企業名検索を行います。
公式ページ、採用ページ、社員紹介、社内の雰囲気などの情報がない企業は、応募の検討段階で離脱されます。採用活動は掲載媒体だけで完結しません。
17. 働く人の情報が見えない為、採用できない
社長メッセージや理念だけでは応募は増えません。
求職者が知りたいのは「どんな人と働くか」です。社員インタビュー、写真、キャリア事例など“人”の情報がある企業ほど応募率は上がります。
18. 内定後のフォローがない為、採用できない
内定はゴールではありません。
承諾までの期間に連絡がないと、不安が増え辞退につながります。内定者面談、現場社員との面談、情報提供などのフォローが承諾率を左右します。
19. 入社初日の受け入れ準備ができていない為、採用できない
PCや席が用意されていない、誰が教えるか決まっていない状態は、初日から不信感を生みます。
入社初日の体験は定着率に直結します。オンボーディング計画の整備が必要です。
20. 採用を「コスト」と捉えている為、採用できない
採用を費用削減の対象として扱うと、改善活動が止まります。
採用は人件費ではなく投資です。採用計画と事業計画を連動させ、採用→戦力化→売上までを一体で考える企業ほど、安定的に人材を確保できます。
必見!採用がうまくいく会社が「最初に整備していること」
採用に成功している企業は、求人媒体を選ぶ前に「採用の土台」を設計しています。具体的には、役割定義→ターゲット定義→訴求設計(ブランディング)→チャネル設計→選考設計→オンボーディング→KPI運用、というステップで整備します。
役割定義│誰を何人ではなく「何を任せ、どんな成果を出すか」
「営業1名募集」ではなく、「新規開拓をリードし年間売上〇〇円を達成する役割」など、期待成果から定義します。役割が明確になると、必要要件・評価基準・求人の訴求が一貫します。
ターゲット定義│世代×キャリア×価値観×行動特性
Z世代の価値観、キャリア志向、ワーク観、成長欲求などを織り込んでペルソナを作ります。新卒採用・中途採用・エンジニア採用など職種によって「刺さる言葉」が変わるため、定義が重要です(整理の型は採用ターゲットの考え方や採用ペルソナも参考になります)。
訴求設計│強み/メリットを“相手目線”の言葉に変換(ブランディング)
自社の強み・メリットを、候補者が理解できる言葉に翻訳します。これは採用のマーケティングとブランディングそのものです。条件以外の価値(裁量、成長、仲間、社会性、学び)を具体化します(考え方の整理は採用ブランディングも参照できます)。
チャネル設計│媒体・紹介・スカウト・SNSを“ターゲット起点”で選定
ターゲットがどこで情報収集しているかを基点に、媒体・紹介・スカウト・SNSを組み合わせます。例えば、ミイダス、Wantedly、エンゲージ等も、ターゲット次第で相性が変わります。
選考設計│評価基準・質問・面接官トレーニングを整備
評価シート・質問リスト・面接官トレーニングを整備し、合否判断のブレをなくします。選考は見極めだけでなく動機づけの場なので、訴求軸も同時に設計します。
オンボーディング設計│入社後の不安を消し、早期離職を防止
入社後の不安を消す設計が、定着率を決めます。メンター設置、1on1、初月の期待役割のすり合わせなど、受け入れ体制を整備しましょう。
KPI運用│ファネルで毎週改善(実践→改善をともに回す)
採用ファネルのKPIを毎週見て、詰まりを特定し改善します。採用は「完全な正解」が固定で存在しないため、実践と検証をともに回し続けることが重要です(運用の型は採用ファネルの活用が参考になります)。
採用が止まる原因と最短の打ち手│KPI運用、ファネルで毎週改善
採用活動が停滞する原因は、ファネルのどこかにあります。KPIを見れば、最短で改善できます。
①応募数が少ない
求人がターゲットに届いていない、または訴求が弱い可能性があります。媒体追加・スカウト強化・タイトル/導入文の改善・求人原稿リライトが有効です。
②書類通過率が低い
ミスマッチ応募が多い状態です。必須要件を明確化し、役割・成果・求める行動特性を具体化して原稿に反映します。
③一次面接通過率が低い
評価基準が曖昧、面接の質問設計が弱い可能性があります。評価シート整備と面接官トレーニングが有効です。
④最終面接で落ちる
現場と経営で基準がズレている可能性があります。最終面接前の申し送りと、評価観点の統一が必要です。
⑤内定承諾率が低い
動機づけ・クロージング設計不足の可能性があります。面接途中から魅力訴求を行い、内定後フォロー(面談・座談会)を設計しましょう。
⑥入社率が低い(内定後辞退)
内定から入社までの接点不足が原因です。定期連絡、入社前課題、イベント招待などでエンゲージメントを維持します。
⑦入社後3ヶ月定着率が低い(ミスマッチ防止)
期待役割のズレ・オンボーディング不足が主因です。良い面だけでなく大変な面も伝え、入社後はメンターや定期面談を整備します。
【実例】実際にあった採用のつまずきと改善
事例①:応募は来るが採用できない(ミスマッチが発生していたケース)
企業:販売業(家電量販店)/従業員100名規模の中小企業
募集職種:営業職
相談時の状況
- 応募数は一定数ある
- 書類選考通過率が低い
- 面接工数が増大
- 採用決定に至らない
特に、年齢層が想定より高い応募や、業務内容と適合しない応募が多く、面接対応に多くの時間を要していました。
原因分析
採用できていない原因は「応募不足」ではなく、ターゲットと求人情報の設計のズレでした。
- ターゲット定義が曖昧
- 求人原稿が要件(条件)中心
- 仕事内容の将来像が書かれていない
- AIマッチングが「応募率が高い層」に寄っていた
- Airワークの選考フラグ運用が未整理
結果として、求人媒体のアルゴリズムは「応募しやすい層」を優先的に表示し、企業が求める人材との乖離が拡大していました。
実施した対策
- 役割定義の整理(この職種に期待する成果の明確化)
- ターゲット人物像の再設計
- 求人原稿の全面リライト
- チャネル配信設計の見直し
特に以下の変更を実施しました。
- 入社直後の業務だけでなく「入社3年後の仕事内容」を明記
- 実ターゲットより約10歳若い層に響く表現へ変更
- 仕事内容中心の訴求へ修正(条件訴求の削減)
- Airワークの選考フラグ入力を徹底(書類不合格理由の明確化)
結果
- 書類選考通過率:20% → 50%に改善
- 採用目標5名に対して5名の採用成功
- 広告費:60万円
- 採用単価:12.5万円
この事例から分かるポイント
採用がうまくいかない原因は、必ずしも「応募数不足」ではありません。
本事例のように、採用設計がずれると、応募は増えても採用は成立しない状態になります。
求人媒体のAIマッチングは「応募されやすい求人」を優先表示します。
そのため、ターゲット定義と求人情報が曖昧な場合、企業が求める人材とは異なる層からの応募が増える傾向があります。
つまり、採用成功のポイントは媒体選定ではなく、役割定義 → ターゲット設計 → 情報設計の順番で整備することです。
事例②:内定を出しても辞退される(承諾率が低かったケース)
企業:広告代理店/従業員10名(ベンチャー企業)
募集職種:営業職
相談時の状況
- 応募は一定数ある
- 面接評価も良い
- 内定を出しても辞退される
- 内定承諾率:30%未満
面接の手応えはあるにもかかわらず、最終的に他社へ入社されてしまう状況が続いていました。
原因分析
原因は条件面ではなく、選考プロセス中の「企業理解」と「感情形成」の不足でした。
- 選考途中での動機づけが不足していた
- 他社との違い(差別化ポイント)が伝わっていなかった
- 応募者からの電話が営業電話と混在し対応品質が低下
- 来社時に社内の雰囲気が伝わっていなかった
特に、営業電話が多い環境のため応募者対応が後手に回り、第一印象が悪化していました。
また、面接の来社タイミングが業務集中時間と重なり、静かなオフィス環境が「活気がない会社」と誤認されていました。
実施した対策
選考を「評価の場」から「入社判断の場」へ設計し直しました。
- 面接来社予定を社内へ事前共有(全社員参加型へ)
- 来社時に誰でも挨拶・案内ができる運用へ変更
- 受付環境の改善(音楽・照明の変更)
- 意図的に社内打ち合わせ時間と来社時間を調整
- 採用説明資料(採用ピッチ資料)の作成
採用ピッチ資料では、事業の将来性・営業職のキャリアパス・若手の活躍事例を具体的に説明し、入社後のイメージを持てるようにしました。
結果
- 内定承諾率:30%未満 → 70%に改善
この事例から分かるポイント
内定辞退の多くは、条件ではなく「判断材料不足」で発生します。
求職者は面接で評価されるだけでなく、「この会社に入社すべきか」を同時に判断しています。
企業が情報提供を行わない場合、求職者は比較可能な企業を選択します。
つまり、承諾率は待遇ではなく、理解度と安心感の設計で改善できます。
事例③:応募が来ない(母集団形成ができていなかったケース)
企業:一般乗用旅客自動車運送事業/従業員150名
募集職種:タクシードライバー
相談時の状況
- 応募がほぼ来ない
- 採用が成立しない
- 中途採用の大手求人媒体1社に広告費100万円を投資
- 結果:応募0〜2名で着地
採用予算は十分に確保していたにもかかわらず、母集団形成がまったくできていない状態でした。
原因分析
原因は待遇や仕事内容ではなく、求職者の検索行動の変化に対応できていなかったことでした。
- 媒体選定のミス
- 1媒体への集中投資
- 求人情報の露出経路が限定的
- 応募者への動機づけ情報が不足
現在の求職者は「媒体名」で仕事を探すのではなく、
「職種+勤務地」で検索します。
つまり、媒体に掲載するだけでは求職者に届かず、検索結果に表示されなければ存在しない求人と同じ状態になります。
実施した対策
- 単一媒体への集中投資を中止
- 複数媒体への分散掲載へ変更
- Indeed PLUS・エンゲージを活用した求人検索エンジン対策
- 複数求人原稿の作成によるABテスト実施
- 効果の高い原稿を掲載型媒体へ展開
求人原稿も、条件中心の内容から「仕事の流れ」「収入モデル」「未経験からのキャリア」を明記した内容へ変更しました。
結果
- 応募数:0〜2名 → 30応募へ改善
- 応募単価:50万〜100万円 → 約3.3万円へ改善
この事例から分かるポイント
応募が来ない原因の多くは、待遇や知名度ではありません。
求職者に“発見されていない”ことです。
現在の採用活動は広告ではなく、検索行動に対応した「採用マーケティング」です。
媒体選定よりも重要なのは、
- 検索結果に表示される設計
- 複数原稿による検証
- 応募導線の最適化
つまり、採用の成果は予算の大きさではなく、露出設計と情報設計によって大きく変わります。
【この状態なら相談推奨】外部支援(コンサル/採用代行)を検討すべき判断基準
採用は社内で改善できるケースも多い一方、社内リソース不足やノウハウ不足で止まりやすい領域でもあります。次の項目に複数当てはまる場合、採用コンサルや採用代行(RPO)など外部支援を検討するタイミングです。
- 3ヶ月以上、複数ポジションで採用が決まらない
- 応募0が続く、または応募はあるが採用につながらない
- 内定辞退率が30%を超える
- 採用担当が兼任で、求人更新や日程調整だけで手一杯
- 早期離職が続き、現場が疲弊している
- KPI(応募数・通過率・承諾率・定着率)を把握できていない
設計から運用まで「まるごと」や「付き」で支援を受けることで、社内は面接などのコア業務に集中でき、改善スピードが上がります。重要なのは、外注=丸投げではなく、設計・実践・改善をともに回せる形で進めることです。支援内容の全体像はこちらでも確認できます。
よくある質問
Q1. 中小企業が大手に採用で勝つポイントは?
条件勝負ではなく、裁量・成長・意思決定の速さ・仕事の意味など、強みを相手目線で言語化し、ブランディングとして伝えることが重要です。
Q2. 採用コストをかけられない場合は?
まずは役割定義とターゲット定義を整備し、無料/低コスト手法(リファラル、SNS、自社サイト改善等)から始め、KPIで改善を回します(KPI整理は採用ファネルが便利です)。
Q3. 応募は来るのに良い人材が来ない
ターゲット定義と訴求軸がズレています。必須要件だけでなく「活躍条件」「価値観」「成長機会」を具体化して原稿に反映しましょう(ターゲット設計の型はこちら)。
この記事の監修|株式会社bサーチについて
本記事は、採用支援を専門に行う株式会社bサーチが監修しています。
bサーチは、求人広告の掲載代行だけを行う会社ではなく、企業の採用活動を「設計」から支援する採用コンサルティング会社です。
採用は「募集を出すこと」ではなく、役割定義・ターゲット設計・訴求設計(マーケティング/ブランディング)・選考設計・オンボーディング整備までを一貫して整えることで、再現性が生まれます。
媒体や手法(例:ハローワーク、マイナビ、ミイダス、Wantedly、エンゲージ等)の“良し悪し”ではなく、企業ごとの課題に合わせて最適化することを重視しています。
bサーチが行っている支援内容
- 採用戦略の立案(役割定義・人物像設計)
- 求人原稿・採用コンテンツの設計と改善
- 媒体/チャネル選定と運用改善(求人検索エンジン含む)
- 面接設計・評価基準の整備(面接官トレーニング)
- 内定辞退対策・オンボーディング設計
- KPI設計とファネル改善(設計→実践→改善をともに運用)
このような企業から相談を受けています
- 応募が来ない/母集団形成ができない
- 応募はあるが採用できない(ミスマッチが多い)
- 内定辞退が多い/承諾率が上がらない
- 採用した人材が定着しない(早期離職が続く)
- 採用KPIがなく、改善が感覚になっている
「自社の場合はどこが詰まっているか、第三者目線で整理したい」そんなときは、まずは状況を聞かせてください。
いきなり提案ではなく、応募→選考→承諾→定着のどこで止まっているかを一緒に棚卸しします。
→ 無料で相談してみる(お問い合わせ)
※本記事は特定サービスの利用を前提としたものではなく、採用活動の理解と改善のヒント提供を目的に作成しています。
まとめ
中小企業で「採用できない」「応募が集まらない」と感じる理由は、単なる人手不足ではなく採用の設計不足にあるケースが多くあります。2024年以降の就職・就活では、求職者はまずwebで企業名やjob内容を検索し、公式ページの情報量や分かりやすさを確認してから応募を検討します。情報が不足している会社は、比較の土俵にすら上がらず、採用活動が苦戦しやすくなります。
特に高卒・卒予定者、主婦・主夫、いわゆる「しゅふ層」など、ターゲットによって知りたい内容は大きく異なります。しかし多くの企業ではHR視点の整理が不十分で、仕事内容に必要な技術レベル、教育体制、キャリアの計画が伝わっていません。その結果、就活中の求職者の悩みを解消できず、魅力があっても応募が集まらない状態になります。
さらに、料金や給与条件だけで判断されると中小企業は不利になりがちです。重要なのは待遇の高さではなく、「どんな人に向いた会社か」を明確に示す採用策です。ターゲット別の求人ページ設計、具体的な仕事内容の説明、入社後の成長イメージの提示、応募前の不安を解消する情報発信を行うことで、応募数と質は大きく改善します。
採用は広告出稿の量ではなく計画です。ターゲット設定、情報整理、発信、改善のサイクルを回せば結果は変わります。採用できない会社には共通点がありますが、原因が分かれば対策は立てられます。まずは自社の採用活動を感覚ではなく、戦略として見直すことが成功への第一歩です。
