大量採用とは?企業が行う理由や新卒・中途別のメリット・デメリットや成功させるポイント解説

大量採用とは?企業が行う理由や新卒・中途別のメリット・デメリットや成功させるポイント解説

大量採用とは、企業が一度に多くの人材を雇用する採用手法を指します。
企業がなぜ大量採用に踏み切るのか、その理由には事業拡大や人材の世代交代など、様々な背景が存在します。

この手法には、多様な人材の確保や採用コストの効率化といったメリットがある一方で、応募者との関係希薄化や入社後のミスマッチといったデメリットも潜んでいます。
本記事では、新卒・中途採用それぞれのケースにおけるメリット・デメリットを整理し、大量採用を成功に導くための具体的なポイントを解説します。

目次

企業が大量採用に踏み切る3つの主な理由

企業が一度に多くの人材を採用する背景には、いくつかの共通した理由が存在します。
会社の成長フェーズや組織が抱える課題に応じて、大量採用という戦略的な選択がなされるのです。

主な動機として、事業拡大に伴う人員確保、退職者増加による欠員補充、そして将来の組織を担う若手の計画的な育成が挙げられます。
これらの理由は、企業が持続的に成長し、競争力を維持していく上で不可欠な人事戦略の一環と位置づけられています。

事業拡大に伴う人材を確保するため

企業の事業拡大フェーズでは、新規事業の立ち上げや既存事業の規模拡大のために、絶対的な人数の確保が不可欠となります。
特に大企業や大手企業が新たな市場へ進出する際には、プロジェクトを推進するための人員を一気に集める必要があります。
計画通りの人数を確保できなければ、事業計画そのものに遅れが生じるリスクも高まります。

そのため、将来の成長を見据えて、まとまった人数の従業員を一度に採用する戦略がとられることがあります。
これは、企業の成長戦略を実現するための重要な人事施策の一つとして位置づけられています。

欠員補充で人手不足を解消するため

退職者が相次いだり、特定の部署で慢性的な人手不足が発生したりした場合、欠員補充を目的として大量採用が行われることがあります。
特に、定年退職者が一時期に集中するなどの状況では、事業の継続性を担保するためにまとまった人数の補充が急務となります。

こうしたケースでは、正社員だけでなく、派遣社員や契約社員、アルバイトといった多様な雇用形態での募集も同時に行われることが多いです。
一時的な労働力の確保という側面に加え、組織全体の業務量を維持し、現場の負担を軽減する目的で計画的な人員補充が実施されます。

将来の組織を担う若手を育成するため

企業文化の継承や将来の幹部候補を育成する目的で、大量採用が戦略的に行われることがあります。
特に新卒採用においてこの傾向は顕著で、ポテンシャルのある若手人材を多数採用し、長期的な視点で育成していきます。

同年代の社員が多い環境は、互いに切磋琢磨し合う文化を醸成し、組織全体の活性化にも寄与します。
また、年齢構成のバランスを整え、組織の硬直化を防ぐ狙いも含まれます。
将来の事業展開を見据え、次世代のリーダーを育てるための土台作りとして、新卒の大量採用は重要な意味を持っています。

【新卒】大量採用を行う企業のメリット

新卒を対象とした大量採用は、企業に複数の利点をもたらします。
多様な個性を持つ人材を一括で確保できるため、組織の活性化や適材適所の配置が可能になる点が大きな魅力です。
また、採用活動を一度に集約することで、一人あたりの採用コストを効率化できる側面もあります。
企業文化に染まっていないフレッシュな人材を多く受け入れることで、組織に新しい風を吹き込む効果も期待できます。

ここでは、新卒の大量採用が企業にもたらす具体的なメリットを詳しく見ていきます。

多様な人材の中から適材適所な配置ができる

一度に多くの新卒社員を採用することで、多様な価値観や個性、専門性を持つ人材が集まり、組織のダイバーシティが促進されます。
特定の業界、例えば金融やメーカーなどでは、様々な部門で異なるスキルセットが求められるため、多様な人材プールは大きな強みとなります。

入社後の研修や実務を通じて個々の適性を見極め、それぞれの能力が最も活かせる部署へ配置することが可能になるのです。
これにより、個人の成長を促すと同時に、組織全体のパフォーマンス向上も期待できます。
適材適所な人材配置は、将来のイノベーション創出の基盤となり得ます。

一人あたりの採用単価を抑えられる

大量採用では、採用活動を一度にまとめて行うため、一人あたりの採用単価を低減できる可能性があります。
例えば、合同企業説明会への出展費用や求人広告費、採用パンフレットの制作費などは、採用人数が増えても固定的にかかる費用が多いため、採用人数で割ることで単価は下がります。

また、選考プロセスを標準化し、一度に多くの応募者に対応することで、面接官の工数や会場費などの運営コストも効率化できます。
ただし、採用基準をいたずらに下げてしまうと、ミスマッチによる早期離職が増え、結果的にコスト増につながるため、適切な基準の維持が前提となります。

【新卒】大量採用で企業が注意すべきデメリット

新卒の大量採用にはメリットがある一方、慎重に検討すべきデメリットも存在します。
採用や教育にかかる初期コストの増大や、応募者一人ひとりとのコミュニケーションが希薄になるリスクが挙げられます。

これらの課題に対処しない場合、内定辞退率の増加や入社後の定着率低下を招きかねません。
また、世間から「人材を使い捨てにする企業」というネガティブな印象を持たれる可能性もあるため、計画段階での十分な配慮が求められます。

採用や教育にかかる初期コストが増大する

一度に多くの新入社員を受け入れることは、採用活動そのものにかかる費用だけでなく、入社後の教育コストも大幅に増加させる要因となります。
集合研修を実施するための会場費や外部講師への依頼費用、教材開発費などが人数分必要になるからです。

また、配属後のOJTにおいても、多くの新人を受け入れる現場の負担は増大し、指導役の社員の通常業務にも影響が出る可能性があります。
これらの初期投資が将来のリターンに見合うものかどうか、事前に費用対効果を慎重に検討し、計画的な予算確保と効率的な研修プログラムの設計が求められます。

応募者一人ひとりとの関係が希薄になりやすい

大量の応募者を効率的に捌くことを優先するあまり、一人ひとりの応募者と向き合う時間が十分に確保できなくなるリスクがあります。
選考プロセスが流れ作業のようになると、応募者は「自分はその他大勢の一人だ」と感じ、企業への志望度が低下しかねません。

特に面接の場において、応募者の個性や潜在能力を深く引き出すような対話が不足すると、自社にマッチする優秀な人材を見逃す原因にもなります。
また、内定を出した後も個別のフォローが手薄になりがちで、内定辞退の増加につながる恐れがあるため、コミュニケーションの質を維持する工夫が必要です。

【中途】大量採用を行う企業のメリット

中途採用における大量採用は、新卒採用とは異なるメリットを企業にもたらします。
即戦力となる多様なスキルや経験を持つ人材を短期間で集中的に確保できる点が最大の魅力です。
新規事業の立ち上げや専門性が求められる部門の強化など、特定の目的を持って実施されることが多く、事業計画を迅速に進める上で非常に効果的です。

ここでは、中途の大量採用が持つ具体的な利点について考察し、企業がどのようにその価値を最大化できるかを探ります。

さまざまなスキルや経験を持つ人材が集まる

中途採用市場には、多様な業界や職種でキャリアを積んできた人材が豊富に存在します。
大量採用を行うことで、自社にはない新しい知識やノウハウ、異なる視点を持つ人材を一度に複数名獲得できます。
例えば、IT分野で複数のSE(システムエンジニア)やエンジニアをまとめて採用すれば、開発体制を急速に強化することが可能です。

異なるバックグラウンドを持つ人材が集まることで、組織内に新たな化学反応が生まれ、イノベーションの創出や既存業務の改善が期待できます。
これは、組織の硬直化を防ぎ、変化への対応力を高める上でも有効な手段です。

即戦力候補をまとめて確保できる可能性がある

中途採用の大きな利点は、社会人経験と専門スキルを備えた即戦力人材を獲得できる点にあります。
大量採用を通じて、特定のスキルセットを持つ人材や、業界経験者をまとめて確保できれば、事業計画をスピーディに推進することが可能となります。

特に、転職市場が活発な時期や、競合他社からの人材流動があるタイミングを狙えば、優秀な人材を効率的に集められる可能性があります。
新卒採用のように長期的な育成期間を必要とせず、短期間で組織の戦力を増強できる点は、急速な事業拡大を目指す企業にとって大きな魅力となります。

【中途】大量採用で企業が注意すべきデメリット

中途の大量採用は即戦力確保に有効な一方、企業イメージや採用後の定着に関して注意すべき点があります。
「常に大量の求人を出している」という状況は、求職者にネガティブな印象を与えかねません。

また、採用プロセスにおけるミスマッチが生じやすく、内定辞退や早期離職のリスクも高まるため、慎重な計画が求められます。
ここでは、中途採用者が抱きやすい懸念や、企業が直面しがちな課題について具体的に解説します。

「離職率が高いのでは?」という懸念を持たれやすい

年間を通じて大量の求人広告を出し続けていると、求職者から「常に人が辞めている、離職率の高い会社なのではないか」という疑念を抱かれやすくなります。
特に、企業の評判や口コミ、離職率に関するランキングなどを参考にする求職者にとっては、ネガティブなシグナルとして受け取られかねません。

こうした印象は、優秀な人材からの応募を遠ざける原因となります。
大量募集を行う際には、その理由が事業拡大などポジティブなものであることを明確に伝え、ブラック企業であるとの誤解を招かないような情報発信が重要です。

内定辞退や入社後のミスマッチが発生しやすい

大量採用では選考プロセスが画一的になりがちで、候補者一人ひとりのスキルや価値観と、企業の文化や求める人物像とのすり合わせが不十分になることがあります。
その結果、内定を出しても「思っていた会社と違った」という理由で辞退されたり、入社後に「こんなはずではなかった」と早期離職につながったりするケースが増加します。

特に中途採用者は自身のキャリアプランが明確なため、少しのズレがミスマッチに直結しやすい傾向にあります。
選考段階で仕事内容や組織のリアルな情報を包み隠さず伝え、相互理解を深めるプロセスが不可欠です。

大量採用を成功に導く5つの重要ポイント

大量採用を成功させるためには、単に多くの応募者を集めるだけでなく、採用から定着までの一連のプロセスを戦略的に設計する必要があります。
効率的な選考手法の導入や、採用体制の強化、内定者への手厚いフォローなど、取り組むべき課題は多岐にわたります。

ここでは、大量採用を成功に導くための具体的な5つの方法を紹介し、それぞれのポイントを解説することで、質の高い人材を確保し、定着させるための道筋を示します。

採用プロセス全体を見直し効率化を図る

大量の応募者に対応するためには、採用プロセス全体の効率化が不可欠です。
書類選考や一次面接にAIや動画面接ツールを導入したり、説明会をオンライン化したりすることで、採用担当者の負担を軽減し、選考スピードを向上させることができます。
例えば、アイリスオーヤマのように、説明会参加からスピーディーな選考フローを構築する事例もあります。

また、応募者管理システム(ATS)を活用して応募者情報や選考進捗を一元管理することも有効です。
プロセスを見直すことで、コア業務である候補者とのコミュニケーションに時間を割けるようになり、採用の質も向上します。

採用担当者の増員や役割分担を明確にする

大量採用では、採用担当者一人あたりの業務量が飛躍的に増大するため、既存の体制のままでは対応しきれません。
採用プロジェクトの規模に応じて、採用担当者を増員したり、他部署から一時的に協力を得たりするなどの体制強化が必要です。

富士ソフトのように、リクルーター制度を導入し、現場社員を巻き込むことで、より専門的な視点で候補者を見極めることも有効な手段です。
また、母集団形成、書類選考、面接調整、内定者フォローといった各フェーズで担当者を分け、役割分担を明確にすることで、業務の属人化を防ぎ、プロセス全体をスムーズに進行させることが可能になります。

Web採用ツールで自社の魅力を広く発信する

多くの候補者にアプローチするためには、Webを活用した情報発信が欠かせません。
マイナビのような大手求人サイトへの掲載はもちろん、自社の採用サイトやSNS、Web広告、ダイレクトリクルーティングサービスなど、複数のチャネルを組み合わせて母集団を形成することが重要です。

特に採用サイトでは、仕事内容や待遇といった基本情報だけでなく、社員インタビューや企業文化、キャリアパスなどを具体的に紹介し、自社の魅力を多角的に伝える工夫が求められます。
ターゲットとする人材層に合わせたプラットフォームを選定し、一貫性のあるメッセージを発信することが効果的です。

内定者への手厚いフォローで辞退を防止する

内定を出してから入社までの期間は、内定者の入社意欲を維持し、辞退を防ぐための重要なフェーズです。
特に大量採用では、内定者一人ひとりとの関係が希薄になりがちなので、意識的なフォローアップが求められます。

内定者懇親会や社員との座談会、個別の面談などを定期的に開催し、不安や疑問を解消する機会を設けることが有効です。
例えば大和ハウス工業では、内定者一人ひとりに若手社員がメンターとしてつく制度を導入し、きめ細かなフォローで内定辞退率の低下を実現しています。
こうした継続的なコミュニケーションを通じて、入社への期待感を高めます。

入社後のミスマッチを防ぎ定着率を高める仕組みを作る

採用はゴールではなく、入社した社員が活躍し、定着して初めて成功といえます。
入社後のミスマッチを防ぐためには、選考段階からリアルな情報を提供することが重要です。
仕事の良い面だけでなく、厳しさや困難な点についても正直に伝えることで、過度な期待とのギャップを減らします。

また、入社後の受け入れ体制や研修制度の充実も不可欠です。
例えば富士通では、キャリア入社者向けのオンボーディングプログラムを整備し、早期の立ち上がりを支援しています。
配属後の定期的な面談やメンター制度の導入など、新入社員が孤立せず、早期に組織に馴染めるような仕組みの構築が求められます。

【ケース別】大量採用の成功事例から学ぶポイント

大量採用を成功させている企業は、それぞれ独自の工夫を凝らしています。
IT企業、製造業、サービス業など、業界ごとに異なる課題に対し、効果的な採用戦略を展開しています。
例えば三菱電機のような大手企業も、時代に合わせた採用手法を取り入れ、優秀な人材の確保に努めています。

ここでは、具体的な企業の成功事例をケース別に紹介し、自社の採用活動に応用できるポイントを探ります。
他社の取り組みから、自社の採用戦略を見直すヒントを得ることが可能です。

オンライン活用で母集団形成と大量採用に成功したIT企業の事例

あるIT企業では、地方の優秀な学生や海外の候補者にもアプローチするため、採用活動のオンライン化を積極的に推進しました。
オンライン会社説明会やWeb面接を全面的に導入し、時間や場所の制約なく選考に参加できる環境を整備したのです。

これにより、従来はリーチできなかった層からの応募が大幅に増加し、多様な人材の母集団形成に成功しました。
また、オンラインでのハッカソンなどを開催し、企業の技術力や文化を直接体験してもらう機会を設けることで、候補者の志望度を高める工夫も行っています。
オンラインの特性を活かし、広範囲かつ効率的に母集団を形成した好事例です。

採用ターゲットを広げ人材確保を実現し大量採用成功した製造業の事例

ある大手メーカーでは、従来の採用ターゲットであった理系の学生だけでなく、文系の学生や異業種からの転職者にも門戸を広げることで、人材確保に成功しました。
製品開発において、技術的な視点だけでなく、多様なユーザー視点やマーケティングの知識が重要になっているという背景があります。

採用サイトや説明会で、文系出身者が活躍できる職種やキャリアパスを具体的に提示し、メーカーで働くことの魅力を訴求しました。
また、専門外の知識を補うための入社後研修を充実させることで、未経験者でも安心して挑戦できる環境を整え、固定観念にとらわれずに採用ターゲットを見直したことが成功につながりました。

丁寧なフォローで内定辞退率を改善したサービス業の大量採用の成功事例

あるサービス業の企業では、高い内定辞退率が課題でした。
そこで、内定者一人ひとりに対するフォローアップ体制を強化したのです。
内定者ごとに担当の若手社員をつけ、定期的にオンラインや対面で面談を実施し、入社前の不安や疑問を気軽に相談できる関係性を構築しました。

また、内定者限定のSNSグループを作成し、同期との交流を促したり、社内イベントの情報を共有したりすることで、企業への帰属意識を高める工夫も凝らしました。
このような手厚いフォローの結果、内定者のエンゲージメントが向上し、内定辞退率の大幅な改善に成功しています。

大量採用=「一定期間に、多人数を同一の設計(要件・選考・配属・育成)で採用する」こと。
成功の鍵は“採って終わり”ではなく、配属・立ち上がり・定着(離職防止)までを採用設計に含めることです。
まず押さえる前提大量採用は“採用”というより“人員供給の仕組み化”です。
新卒:育成前提で標準化しやすい/中途:即戦力の獲得スピードが出る一方、ミスマッチ離職リスクが上がりがち。
企業が行う理由(なぜ)①事業拡大・拠点増(営業増員、コール/CS増強など)②欠員補充(退職・産休等)③新規サービス立上げ④採用単価を下げる(面接・評価の標準化、歩留まり改善)⑤採用市場での露出強化(母集団形成)
新卒のメリット・育成カリキュラムを一括設計できる(研修・OJTの標準化)
・カルチャーフィットが取りやすい/将来の幹部候補の層ができる
・採用ブランド形成(就活市場で認知が伸びる)
新卒のデメリット・立ち上がりまで時間がかかる(配属先の受け入れ負荷が高い)
・配属ミスマッチが出ると不満→早期離職につながりやすい
・面接官のばらつきで評価がブレると内定承諾率が落ちる
中途のメリット・短期間で戦力化(現場の売上・生産性を早く上げやすい)
・職種別に「欲しい経験」を明確にできる(例:営業、コンサル、エンジニア等)
・採用数を増やすほどデータが溜まり、採用改善が回しやすい
中途のデメリット・カルチャー不一致や期待値ズレで早期離職が起きやすい
・条件交渉が増え、選考スピードが遅いと辞退が増える
・採用要件が曖昧だと「多いが弱い」採用になりがち

人事が設計すべき「大量採用の成功要素」チェック表

設計項目人事が決めること(必須)成功の型(ポイント)失敗パターン
採用要件(誰を採るか)職種別Must/Want、NG基準、活躍人材の共通点、配属先の仕事内容現場トップの「活躍者3名」を分解→要件に落とし込む/評価表を統一要件が抽象的で面接官の“感覚採用”になる
選考設計(スピード)選考回数、最短日程、合否判断期限、面接官アサイン大量採用はスピード=勝ち/一次〜最終面接の滞留をなくす日程調整が遅く辞退が増える
評価基準(ブレ防止)質問項目、採点ルール、合否の理由テンプレ構造化面接(質問固定+採点)/面接官のクセを排除面接官ごとに合否基準が違い、内定の質が不安定
母集団形成(集客)チャネル配分(媒体/スカウト/紹介/エージェント等)、予算、KPI週次でデータ確認→投資配分を動かす(応募単価・面接率で判断)出稿しっぱなし/分析せず予算だけ消える
内定承諾(口説き)オファー内容、面談設計、フォロー担当、クロージング資料意思決定要因を面接で特定→個別に潰す(不安・条件・成長)内定後フォローが弱く、競合に負ける
配属・オンボーディング初日〜30日プラン、教育担当、評価タイミング、早期戦力化の定義「30日で何ができれば合格か」を明文化/OJT担当の工数確保採って終わり→現場が疲弊→大量離職の火種

大量採用で見るべきKPI(採用ファネル管理)

KPI見る目的改善の打ち手例注意点
応募数/週母集団の量が足りているかチャネル追加、求人訴求の改善、スカウト強化量だけ増やすと面接工数が崩壊しやすい
書類通過率要件が適切か/母集団の質要件の明確化、求人票の表現調整、ターゲット媒体の見直し厳しすぎると採用数が落ち、緩すぎると質が落ちる
面接実施率(当日来社率)日程設計とリマインドが機能しているかリマインド強化、オンライン面接、前日確認、所要時間短縮大量採用ほど“ドタキャン対策”が重要
内定率選考の精度(見極め)評価基準の統一、質問の標準化、面接官トレーニング内定率が高すぎる場合は基準が甘い可能性
内定承諾率競合比較で勝てているかオファー面談、ロールモデル提示、キャリアパス資料承諾率は“スピードと納得材料”で左右される
入社後30/90日定着率オンボーディング品質(大量離職の予兆)初動設計、フォロー面談、配属説明の透明化採用数だけ追うと定着率が崩れて逆効果

リスク(「やばい」「使い捨て」と言われないための対策表)

起きがちな問題原因人事の対策現場に依頼すべきこと
大量離職・早期離職期待値ズレ、配属ミスマッチ、教育不足職務内容の透明化/30日プラン/相談導線(1on1等)OJT担当の工数確保、受入れ体制の合意
面接官の評価ブレ質問・基準が面接官任せ構造化面接+採点表+合否理由テンプレ面接官研修、合否会議の運用
選考遅延→辞退増日程調整と稟議が遅い合否の即日決裁ルール、最短選考枠の固定面接枠の確保、決裁者の稼働確保
採用コスト肥大化効果測定不足、チャネル偏り週次で応募単価/通過率/承諾率を可視化し配分変更現場フィードバックの定例化

まとめ

大量採用は企業の成長戦略において有効な手段となり得るものの、その成功には緻密な計画と実行が不可欠です。
採用計画の設計から選考プロセスの効率化、内定者フォロー、そして入社後の定着支援まで、一貫した取り組みが求められます。
新卒と中途ではメリット・デメリットが異なり、それぞれに応じた対策が必要です。

三菱電機のような大手企業も採用手法を工夫しているように、自社の状況に合わせて採用ターゲットを見直したり、オンラインツールを活用したりと柔軟な発想が重要となります。
本記事で解説した各ポイントや事例を踏まえ、自社の採用戦略を再検討することが求められます。

大量採用とは、一定期間に多数の人材をまとめて募集する方法で、大手からベンチャーまで就職・転職で広く使われます。
なぜ行うのかは、事業拡大や新規拠点、欠員補充、営業やコンサル人材の育成パイプライン確保、データで歩留まりを改善して採用効率を上げるためです。
就活では「受かりやすい」「やばい/ヤバ」「危険」「使い捨て」「大量離職」などの噂もありますが、実態は会社ごとに違います。
ランキングだけで判断せず、募集の基準(配属、教育、評価、保険・福利厚生、働き方)を確認し、ホワイト企業かは一次情報で見極めましょう。
新卒(卒、大学、理系向け含む)のメリットは、教科書や塾のように研修を標準化し、マスターすべきスキルを一気に底上げできる点。
デメリットは、最終面接まで進んでもミスマッチが出やすく、配属で不満が出る点です。
中途は即戦力で、銀行、楽天、リクルート、マイナビ、サイバーエージェント、レバレジーズ、ニトリ、富士通、富士ソフト、ソニー、パナソニック、三菱系、大和ハウスのような企業でも採用スピードを上げられますが、カルチャー不一致による早期離職が課題になり得ます。
成功のコツ(方法)は、誰を採るかを職種別に定義し、営業やコンサル(デロイト、bcg、dtfa、アクセンチュアなど)の志向まで言語化して、採用要件を「英語が必要か」「未経験可か」「バイト/アルバイト経験をどう評価するか」まで具体化すること。
エージェント経由・直応募を併用し、面接官のクセに頼らず構造化面接で基準を揃えます。
さらに、内定後のフォローと配属説明、オンボーディング(例:abuildのような育成プログラム)で定着を支援し、top層だけでなく全員が早く戦力化できる設計が成功の分かれ道です。

人材採用でお悩みの方には、サポートいたします。お気軽にお問い合わせください。
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